結論
神奈川県の33市町村を公式ページで1件ずつ確認し、令和8年度のページを2026年8月22日に再点検しました。防犯カメラの設置に使える制度ページを確認できたのは15市町村です。
そのうち個人(世帯)向けを確認できたのは、相模原市、海老名市、愛川町、湯河原町の4市町です。座間市の制度は令和7年度で終了しており、令和8年度の継続を確認できなかったため集計から外しました。
個人向けの上限は1万円から5万円、団体向けは10万円から36万7千円です。ただし、受付を終えた制度や、申請前の相談が必要な制度があります。金額だけでなく、受付状況まで確認してください。
33市町村を1件ずつ確認しました
編集部が確認したのは、神奈川県の全33市町村(19市・13町・1村)です。県のまとめページや民間のまとめ記事ではなく、各市町村の公式ページを開いて、制度名・対象・上限額・補助率を読みました。全数調査は2026年8月1日から8月9日、制度が見つかった自治体の再確認は8月22日です。
内訳はこうなりました。
- 現行の制度ページを確認できた: 15市町村
- 無い(公式サイトの防犯カテゴリや補助金一覧、当年度の予算・議会資料を見たうえで、個人・自治会等が申請できる制度の掲載が無い): 18市町村
- 確認できなかった: 0市町村
33市町村の内訳は、制度ページあり15、無い18です。ここでいう「無い」は、2026年8月22日時点の公開情報で、個人・自治会等が申請できる防犯カメラ補助制度を確認できなかったという意味です。
最後まで判断を保留していた中井町と山北町は、当年度の予算・議会資料まで確認しました。中井町の令和8年度予算概要には、町内主要交差点へ町が防犯カメラを設置する事業が記載されています。山北町の議会資料でも、町が公共施設に設置し、56台を管理していることが説明されています。いずれも住民・自治会等が申請する補助制度ではないため、「無い(確認できた範囲)」に分類しました。
個人向けを確認できたのは4市町、上限は1万〜5万円
個人(世帯)向けの公式ページを確認できた4市町の条件です。
| 市町 | 上限額 | 補助率 | 2026年8月22日時点の確認事項 |
|---|---|---|---|
| 湯河原町 | 5万円 | 対象経費の20% | 申請期限は令和10年3月31日。購入・工事前の相談と交付決定が必要 |
| 相模原市 | 2万円 | 2分の1 | 令和8年8月1日以降の購入・設置が対象。受付は9月1日〜10月30日 |
| 海老名市 | 2万円 | 2分の1以内 | 令和8年4月1日以降の購入・設置が対象 |
| 愛川町 | 1万円 | 2分の1 | ページは公開中だが「令和7年4月1日以降」と記載。令和8年度の継続は申請前に町へ確認が必要 |
湯河原町だけ設計が違います。補助率は20%と低いのに上限は5万円で、対象も個人宅に限らず店舗・事務所を含む建物の所有者・管理者・占有者です。ただし町に住民登録が無い人の個人宅は、対象経費の10%・上限2万5千円という別区分になります。
相模原市、海老名市、愛川町は2分の1補助で、上限が1万円か2万円です。市税・町税の滞納が無いことや、同じ住宅・世帯での申請回数に条件があります。
横浜市、川崎市、横須賀市、平塚市、鎌倉市、藤沢市、厚木市で確認できた制度は、自治会・町内会などの団体向けでした。市の制度があっても、個人宅へ設置するカメラに使えるとは限りません。
座間市の令和7年度資料では個人向け制度が案内されていましたが、申請期間は令和8年3月31日で終了しています。令和8年度の公式サイト内検索でも継続制度を確認できなかったため、現在の4市町には含めていません。
団体向けは10万円から36万7千円まで

自治会・町内会などが申請する制度は、金額の桁が変わります。
| 市町 | 1台あたり上限 | 補助率 | 令和8年度の状況 |
|---|---|---|---|
| 逗子市 | 36万7千円 | 10分の9 | 事前協議は7月31日で終了 |
| 横須賀市 | 30万円(ソーラー型)/27万円(従来型) | 10分の9 | 事前相談は6月30日で終了 |
| 平塚市 | 30万円 | 10分の9以内 | 予算上限の見込みにより受付終了 |
| 葉山町 | 30万円 | 10分の9 | 県補助の交付決定案件が対象 |
| 鎌倉市 | 30万円 | 10分の9 | 令和8年度は補助率・上限が拡充 |
| 横浜市 | 28万円 | 10分の9 | 申請期限は7月31日 |
| 川崎市 | 27万円 | 公式ページで率を確認できず | 要綱は令和8年6月改正 |
| 藤沢市 | 27万円(ソーラー型30万円) | 4分の3以内 | 申請期限は6月12日 |
| 厚木市 | 27万円 | 10分の9 | 設置・機能強化が対象 |
| 相模原市 | 12万円 | 10分の9 | 事前協議は7月10日で終了 |
| 綾瀬市 | 10万円 | 3分の2 | 申請期限は8月31日 |
| 南足柄市 | 県補助の交付決定額と連動 | 2分の1に5万円を加算 | 申請前の事前協議が必要 |
補助率10分の9が多く並びます。ただし一律ではありません。藤沢市は4分の3、綾瀬市は3分の2です。南足柄市は2分の1に定額を加算する独自の方式でした。鎌倉市は令和8年度に4分の3・上限23万円から、10分の9・上限30万円へ拡充されています。
団体向けは金額が大きいぶん、条件も重くなります。日頃からパトロールなどの防犯活動をしている実績を求める市(相模原市、厚木市など)、撮影範囲の過半が公道であることを求める市が目立ちます。設置後5年間は運用を続けること、交付決定の前に工事へ着手すると対象外になることを明記している市町もありました。
「防犯カメラ」のページがあっても補助制度とは限りません
今回の調査で、同じ型の勘違いを何度も見ました。市町村の公式サイトに「防犯カメラ」というページがあるのに、読むと補助制度ではない、という型です。
5つとも「自治体が自分で付けたカメラ」の話で、住民が使える補助ではありません。
| 自治体 | 「防犯カメラ」ページの中身 |
|---|---|
| 秦野市 | 秦野市防犯協会が平成16年度から設置してきた街頭防犯カメラの説明(令和8年1月末で市内146か所244台) |
| 開成町 | 町が駅周辺・交差点・公園に設置するカメラの運用方針 |
| 中井町 | 町が主要交差点へ設置するカメラ(令和8年度予算) |
| 山北町 | 町が公共施設へ設置し、管理するカメラ(町管理56台) |
| 清川村 | 村が県道沿いに設置したカメラ |
ページの見出しだけを見て「うちの町にも制度がある」と読むと、問い合わせて初めて違うと分かることになります。
小田原市では、これが実際のズレになって出ていました。民間の補助金まとめサイトには小田原市の自治会向け制度への言及があります。編集部は市の防犯カテゴリを開いて、掲載記事を全部見ました。あったのは防犯灯、特殊詐欺対策電話機器の購入費補助、自転車ヘルメットの購入費補助の3つです。防犯カメラの補助はありませんでした。
制度は消えることがあります
大和市は令和6年度まで「自主防犯活動団体補助金」を持っていて、その中に防犯物品購入費の補助がありました。令和7年度に「地域コミュニティ活動支援補助金」へ統合され、防犯に関わるメニューは青色防犯パトロールの燃料代と車両購入だけになりました。現行の制度説明に防犯カメラという語は出てきません。
三浦市には過去の実績が残っています。市の広報誌(令和4年3月号)に記載があります。令和3年度に神奈川県と市が連携し、地域の団体に防犯カメラの補助を行いました。城ヶ島区と菊名区の2か所に設置されています。現在の防犯カテゴリには募集の掲載がありません。
制度の名前に「防犯」が付いていても、対象品目からカメラが外れることがあります。単年度で終わることもあります。去年の情報で判断せず、申請する年度の公式ページを見てください。
自分の市町村を確認する順番

- 市町村名と「防犯カメラ 補助金」で検索し、出てきたページのドメインが
city.○○.kanagawa.jpやtown.○○.kanagawa.jpかを見る。民間のまとめサイトは終了した制度が残っていることがあります - 公式ページを開いたら、まず対象を読む。「自治会」「町内会」「防犯活動団体」と書いてあれば、個人では申請できません
- 次に年度を見る。「令和8年度」のように年度が入っていれば、その年度の制度です。年度の記載が無いページは更新が止まっている場合があります
- 受付期間を見る。相模原市の個人向けは9月1日から10月30日の2か月間です。千葉県船橋市は4月1日から翌年3月31日まで受け付けます。2か月と1年では、逃したときの待ち時間が変わります
- 交付決定の前に工事を始めてよいかを確認する。先に着手すると対象外にする自治体があります
- 見つからなければ役場に電話する。公式サイトに載っていない制度は編集部でも確認できません
事業者が使える制度はほぼありません
今回確認できた15市町村の制度は、自治会・町内会向けか、個人(世帯)向けが中心です。店舗や工場が自社の敷地に付けるカメラに使える制度は、神奈川県内ではほとんど見つかりませんでした。
事業用の敷地に近い制度が2つあります。
- 湯河原町: 対象施設を「町内の建物(店舗、事務所など)の所有者、管理者又は占有者」としていて、事業用の建物も読み込める。ただし上限は5万円
- 鎌倉市・綾瀬市・相模原市: 商店街団体を対象に含める。ただし団体としての申請で、1社では使えない
事業用の防犯カメラは、補助金を前提にせず見積もりで比べるほうが現実的です。
次の一歩
補助金の有無にかかわらず、設置を頼む業者は複数から見積もりを取って比べてください。編集部が公開情報で確認した業者を業者一覧にまとめました。神奈川県内の業者は神奈川県のページから探せます。
市ごとに見るなら横浜市と相模原市のページもどうぞ。この2つには市の補助制度も載せてあります。
1都3県の個人向け制度を横断で見たい方は、防犯カメラの補助金は個人でも使えるかへ。